薪つくり

乾いた薪

薪の種類

薪の必要量

薪や原木の入手

薪や原木の販売

6ヵ月の薪を30,000円でつくる

薪つくり

薪ストーブの設置が済むと木を集め薪つくりが年中行事になります。

薪の準備について品質、種類、必要量、入手方法や入手時期など紹介します。

最も大事なことは乾いた薪

薪が乾燥していることは燃焼効率を高め、クレオソートの付着を軽減しますので経済性、安全性などの面で最も大事なことです。

水分が多い薪は薪の表面温度が一定以上になるまで自身から水分を蒸発させます。このとき熱を使いますのでなかなか温度が上がらないため、薪から発散される可燃ガスを燃やすことができなく、そのまま可燃ガスが煙突に向かうわけです。
結果、燃焼効率が悪いばかりでなく煙の排出量が多くなり、煙突の知識で説明の通り以下のメカニズムが成立します。

じゅうぶんに乾燥しない薪などが原因で温度が規定の範囲を下回り結果、煙突が詰まりました。

クレオソートが生成される3要因

  1. 煙突内の煙の滞留時間
  2. 煙濃度と燃焼中の水分量
  3. 煙突と煙の温度

薪の種類

自然木であればどんな樹種でも薪になります。

どんな薪でも十分な乾燥と使用時の温度管理が重要です。

(自然木でない木の例:塗装された木製の家具、ベニヤ、防腐剤が塗布された材木など)

薪になる樹木は大きく分けて広葉樹と針葉樹があります。

広葉樹
ナラ、クヌギ、ブナやカバなどの秋に紅葉する樹木があります。

針葉樹
杉、ひのき、松やカラマツのように建築によく使われる樹木があります。

最近の森林環境や木材事情から手に入りやすい針葉樹も、その性質を知って、上手に使っていくことも考えるようです。

広葉樹は針葉樹より比重が高い分、密度が高いため空洞が少ないので火持ちが良いです。(同じ体積で含水率などが同じとして)また、松などの針葉樹はマツヤニなどの脂分が多いため瞬間的に高温になる可能性が高いことなどがあげられます。

どちらも適切な温度管理のもとじゅうぶんに乾燥させてから焚くことになります。

さらに同じ時間、同じ熱量を確保しようとすると体積が影響してきますので広葉樹より針葉樹の方が相対的に薪の保管場所が必要になるということにもなります。

薪の必要量

1シーズンにどれくらいの薪が必要になるのでしょうか。

近隣の平均は割った薪を薪棚に積み上げてみると約1.8m幅で約1.8mの高さに一並び薪を積んだものを1単位とすると約6単位程になります。

これは地域、薪ストーブの大きさ、そのシーズンの気温や使う頻度(24時間焚くのか朝晩か。主暖房なのか否かなど)により様々ですが、ひとつの目安としてあげます。

近隣のユーザーの多くは毎年4トン車に満載して、広葉樹を原木で納めます。それを自身またはこちらで玉切りしたものを自身で割っています。ユーザーの多くは主暖房として朝夕、もしくは常時、11月ごろから焚き始め1月、2月にピークを迎え4月ごろまでの6ヶ月間焚き、年によって増減はありますがおおむねこの4トン車一台で足りています。

この割った薪を薪棚に積み上げてみると約1.8m幅で約1.8mの高さに一並び薪を積んだものを1単位とすると約6単位程になり、束薪にして450束程度ができています。

寒さがピーク時、一日の使用量は束薪にして大きなストーブでは5束以上必要かと思います。

最初の年は設置業者や近隣の使用者の意見を聞いて予想し、翌年から毎年の使用量を記録し、必要量を量るようにすると良いと思います。

薪や原木の入手時期

原木から薪をつくる場合、どんなに遅くても寒倒木(冬切り材)で5月の連休までには割って積み上げましょう。

1年サイクルの場合は秋の彼岸から春の彼岸までに倒木した原木を5月のゴールデンウィークまでに積み上げる。

ストック場所を確保し、出来るだけ長く乾かす。

原木の場合、できるだけ含水率の低い時期に調達し、早く割りたいものです。乾いてくると硬くなり割るのに苦労します。樹木が水を上げない秋の彼岸から春の彼岸までに倒木したものの中から楢、クヌギを選別して順次納めています。

このような原木は長さが1.8m程ですので適切な長さにチェンソーで玉切りし、薪割りで割るようになります。また、束薪についてもシーズンが終わった春の内に確保し、自家で乾燥させるのが最も安心です。

製品の薪は、福島県では長さが36cm(尺2寸)、45cm(尺5寸)、48cm(尺6寸)を中心に業務用のピザ窯用や燻製用などの需要で長さや樹種も多様化に対応している薪屋もあるようです。近年薪の長さを40cmに統一しようという製造業者の意向もあるようです。

特に初めてのシーズンを迎えるユーザーにお伝えしますが、専門の薪屋の多くは一年中製造している問屋からの流通が多く、シーズンに入った時にはほとんど乾燥薪はありませんのでご注意いただき、早めの準備をお勧めします。

薪や原木の販売をしています。

当社でも薪や原木を販売しています。

今まで薪の確保に苦労はいりませんでしたが放射能汚染以後、大変難儀をしています。放射能汚染などによる森林環境問題については薪と地域環境で別に情報提供しています。

昔からの専門の薪屋をはじめ、製材所、材木屋や建築業者、森林組合、ホームセンターなど価格や品質は様々ですが入手先は広くなっています。

当社ではほとんどが原木で納入し、自身で薪をつくっていただいています。価格は半年間焚く量を4トン車で運んで約64,800円です。

多くのお客様から原木の納入についての問い合わせがありますが、毎年の納入量については弊社ユーザー分の確保が最優先です。今のところ(平成30年8月現在)ご用意はできません。

ふくしま薪ネット(最下段にリンクバナーを用意しています。)に薪原木納入業者一覧がありますのでお近くの入手先を見つけてください。

ふくしま薪ネット (http://masatoshi.la.coocan.jp/f_makinet/index.html)に薪原木納入業者一覧がありますのでお近くの入手先を見つけてください。

6ヵ月間焚く薪を30,000円でつくる

アルパイン薪ストーブでは薪ストーブユーザーの会として里山林の整備や近隣の子供たちを森へと誘い、森の役目や楽しさを体験してもらう森林ボランティア活動と会員の薪つくりを兼ねて白河高原薪の会を運営しています。

毎月第三土曜日、日曜日の定例会では玉切りした原木を参加者で分けて持ち帰っています。

会員になると自分で森に入り、薪をつくることもできます。