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薪と森林について

薪と森林における放射性物質

山の日にあたり、森林内の放射性物質と私たちにとって重要な太陽や森からの恵みである薪について、もっともユーザーに近い薪ストーブの供給業者であり、薪ストーブユーザーでもある立場で考えたいと思います。

内容については7月13,14日に参加しました、平成28年度森林整備ボランティア研修会において、今年3月に福島県森林計画課から平成27年度森林内モニタリング調査の結果や県林業研究センター橋本様の調査結果報告などを大いに参考にさせていただきました。

 

さて、あれから5年が経過しました。2016年3月1日換算値で福島県の森林においては1230か所調査の結果、2011年8月と比較して約65%減少したとはいえ、未だ平均空間線量率は0.46μSv/hだそうです。

 

1. 薪の放射性セシウムの濃度の最大値は40ベクレル/kg(乾重量)

原発事故の前から、一般廃棄物最終処分場での埋め立て処分が可能な放射性物質の濃度は8,000ベクレル/Kgとされていました。

原発事故後の調査で薪を焚くことで灰の重量はもとの200分の1になることにより、8,000ベクレル割る200で、薪の放射性セシウムの濃度の最大値は、40ベクレル/Kgというわけです。

それまで私たち薪ストーブユーザーの多くは近郷近在から原木や薪を手に入れ、燃料として暖を取ってきました。

また、最近では薪ストーブで調理を楽しむこと、薪つくりを含め薪ストーブを生活の中心と考えるユーザーも多くいます。

原発事故後、状況は一変し、特に福島、茨城、栃木県内のユーザーは薪の確保や近隣への煙や薪の保管などで大変苦労していると思います。

それにも増して近隣の方々にも心配をかけてきた5年であったかと思います。

こうしたなか、放射性セシウムは物理的減衰率と同じく少しずつ減少している模様ですが、40ベクレル/Kgのハードルは依然高く、薪供給業者も多くの地域で遠方からの原木購入、高圧洗浄での除染や樹皮の剥離など苦戦を強いられています。

私見ですが、環境放射線モニターで空間線量率を測定することで樹皮の濃度を推測する目安になるほど比例するかどうかはわかりませんが、樹皮だけを考えれば40ベクレル/Kgを下回るには時間がかかりそうです。

 

2. 8,000Bq/Kg超えの樹皮が見込まれる箇所の空間線量率は全樹種平均で 1.24μSv/h

  1. 平均 8,000÷1.24=6,452 (0.1μSv/hに付き645ベクレル/Kg)
  2. 最大 8,000÷0.84=9,523 (0.1μSv/hに付き952ベクレル/Kg)
  3. 最小 8,000÷2.44=3,279 (0.1μSv/hに付き328ベクレル/Kg)

樹皮にセシウムの多くが含有されているので手間はかかりますが樹皮を剥がすことや洗浄することは有効な方法であるようです。

 

3. セシウムは土壌に移行(大部分は0~5cm)。樹木に残るセシウムは針葉樹4%、広葉樹2%

このページや萌芽の葉と枝の移行調査資料によれば土壌、落ち葉、萌芽枝と葉をセシウムがあたかも移動しているようにも見えますが、全体は放射性セシウムの物理的減衰率と同じく少しずつ減少して行くのでしょうが今後どのよう移動するのか気になるところです。

また、放射性物質の動態変化においては針葉樹、広葉樹の差はあまりないようですので、多くの資料が杉、ヒノキ、アカマツやカラマツでも広葉樹のデータが推測できそうです。

 

4. 今から15年後(2031年)の森林の空間線量率予測 0.20μSv/h(原発事故20年後) 

私見ですが、薪供給の立場から40ベクレル/Kgの原木を探すとき、最新の(今なら、2015年11月4日)原子力規制委員会の放射線量分布マップを頼りに環境放射線モニターを持ち歩き、空間線量率を測定し、サンプルを採取しています。ただし採取した場所(場所とは住所や林班の他、同じ林班内でも高い所と低いところ)、サンプルの部位などで得られたデータに差があります。

この5年の経験では、0.08μSv/hを超えたところで40ベクレル/Kgを下回る結果は出ていません。

このままで行くと今から15年後でも近郷近在で40ベクレル/Kgを下回る原木を入手できない地域もあるのかな。

山の日の旗日、原発事故から5年と5か月が経過しました。

影響を受けている薪ストーブユーザーの心労と負担、そしてユーザーの周辺の隣や近隣の薪ストーブを使わない方々に心から感謝し、人に都合の良い望みですが森や自然の修復力にすがりながらも、自然への恐れと偉大さを感じた一日となりました。

これらを良い方向に向けるよう、薪ストーブの供給者にできることがいくつか見えています。

これから実行します。

 


以下の内容はこのページの終わりまで関係する林野庁、福島県の公表資料をそのまま掲載しています

元資料との混同を避けるため、赤文字でページの概要を記載しました。

 

1. 薪の放射性セシウムの濃度の最大値は40ベクレル/kg(乾重量)

改めて、薪と放射性物質の関係を確認するのため、2011年11月2日林野庁から各都道府県林産担当部長宛てに通知されたものをそのまま以下に貼り付けました。 

 

「調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値の設定について」 

1.調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値(放射性セシウムの濃度の最大値)

(1)薪

40ベクレル/kg(乾重量)

(2)木炭

280ベクレル/kg(乾重量)

 

2.関係者に対する指導

(1)生産者向け指導

ア 生産した薪又は木炭が指標値を超えていないことを確認した上で販売又は譲渡すること

イ 薪又は木炭を販売又は譲渡する場合には、相手方に生産状況等に関する情報を適切に提供すること

ウ 自ら生産した薪又は木炭を使用する場合には、指標値を超えていないことを確認するか、都道府県と相談すること

エ 指標値を超えない薪及び木炭を生産するため、放射性物質の樹木への付着は葉及び幹の表面に多く、幹の内部の濃度は低いと考えられることを踏まえ、原木から樹皮を取り除くなど放射性物質の濃度の低減に努めるとともに、取り除いた樹皮の適正な処理を行うこと

(2)流通関係者向け指導

ア 薪又は木炭を購入又は譲受する場合には、当該薪又は木炭の生産者・譲渡者に、指標値を超えていないことを確認すること

イ 生産者・譲渡者から薪又は木炭の指標値を超えていないことを確認できなかった場合には、自ら確認した上で販売又は譲渡すること

ウ 薪又は木炭を販売又は譲渡する場合には、相手方に生産状況等に関する情報を適切に提供すること

 

2. 8,000Bq/Kg超えの樹皮が見込まれる箇所の空間線量率は全樹種平均で 1.24μSv/h

樹皮に含まれるセシウム濃度について福島県森林計画課、平成27年度森林内モニタリング調査の結果のP23をそのまま貼り付けました。

 

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3. セシウムは土壌に移行(大部分は0~5cm)。樹木に残るセシウムは針葉樹4%、広葉樹2%

大部分が森林の土壌と落葉に移動し、且つ土壌表面5cmに留まっていることが今後どのような影響を受けるのか調査の継続を見守りたいです。

 

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4. 今から15年後(2031年)の空間線量率予測 0.20μSv/h(原発事故20年後) 

福島県森林計画課、平成27年度森林内モニタリング調査の結果の取りまとめ1のP26をそのまま貼り付けました。

 

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>>> 福島県森林計画課からの森林における放射性物質の状況と今後の予測について

 

 

 

地球温暖化と薪ストーブ

二酸化炭素には、地面から発する赤外線を吸収して空気を暖める働きがあります。
しかし、近年では人間の活動により二酸化炭素の濃度が増え、地球の温度が上昇し続けています。この現象を「地球温暖化」といいます。
そこでお薦めなのが、薪ストーブです。もちろん、薪ストーブで薪を燃やすと二酸化炭素が発生しますが、木は二酸化炭素を吸収する力も持っています。
つまり、二酸化炭素を排出した分だけ吸収する、循環型の素晴らしい資源なのです。

地球を温め続けるとどうなるか

気温の上昇は人間の生命を脅かす深刻な問題です。気温が上昇すると、南極や北極の氷が溶けて海水が膨張します。現に、過去100年の間で世界の平均海水面は十数cm上昇しています。たった十数cmと思うかもしれませんが、海面が1m上昇すると東京の下町や関西の都心部は水没してしまいます。私たちが平和に生活している間にも、水没へのカウントダウンが始まっているのです。


南極ではすでに氷山が溶け始めており、南太平洋の島国では浸水が進んでいるようです。そのまま融解が進み海面が上昇すると、モルディブ島やフィジー島などが水没するといわれています。
地球温暖化の影響はこれだけではありません。気温が上昇することで生態系が変化し、多くの動植物が絶滅に瀕する恐れがあります。また、土壌も枯渇し、乾燥化が進む地域では森林火災が起こる可能性もあります。

地球温暖化を加速させる二酸化炭素は、私たちが日常で使用している石油ストーブやエアコンからも排出されます。しかし、福島や茨城、栃木など寒い地域に住んでいる方にとって暖房器具無しの生活はとても辛いのではないでしょうか。

冬に使用する主暖房を薪ストーブにするだけで、環境の向上にも貢献することができるということです。

薪と灰の取り扱いについて

放射能の影響は薪にも出ています。環境省から岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県においては安全性が確認された場合を除き、燃焼灰は庭や畑にまかず、市町村が一般廃棄物として収集するようなっています。
また、林野庁から以上の8県に加え、青森県・秋田県・山形県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県・静岡県では「薪について1kgあたり40ベクレル以下であることを確認しなければ流通させないように」と発表されています。
この数値は一般廃棄物の限度である1kgあたり8,000ベクレル以下であることを基準値とし実験の結果、薪1,000gを燃焼した場合、約5g(200:1)の灰になるそうです。
量が減っても放射能は燃焼することでは増減はないそうですのでもともと1000gの中にあった放射性セシウムは高温度燃焼により、一部煙突側に行くのを除いて約90%は灰になった5gの中に残るそうです。
このことから200分の1を8,000ベクレルに乗じた1キログラムあたり40ベクレルとなるそうです。
市場に流通している薪は40ベクレル以下であり、これを購入し焚くほかに、上記の17県下には多いか少ないかの差はあっても注意することは同じといえます。
ご自身で原木を調達し、薪つくりをしている薪ストーブオーナーにおいても可能であればできるだけ線量の少ない所の原木を調達することも大事なことですが、今まで以上に良く乾かした薪をつくり、取扱説明に基づいた正しい使用方法で着火時の過度な排煙や適切な温度管理を行い、低温運転により過度な排煙により周囲へ迷惑をかけないこと、そのことによる煙導内火災の回避、また過燃焼高温度燃焼による放射性セシウムの放出を避けることや収集までの灰の管理など薪焚き人ひとりひとりができることを行い。
地方において供給やサポートを生業にしている私どもが更に薪焚き人とその隣の家や近隣の方のために奉仕し続けなければならない時です。